これがアメリカで放送された、正真正銘の第１作パイロット版です。
劇場版「罠を張れ！」のオープニングは、アンクル・エージェントのランサーが命からがらアンジェラの屋敷にたどり着き、殺される前にアンクルと連絡取っていたため敵がアンクルに乗り込んで来るのでしたね？
ところがこのパイロット版は、何と敵がニューヨーク本部に潜入するところから始まるのです。
デル・フロリアに客を装って入った男は店主デルを眠らせ、スチーム・アイロンのレバーを引いて試着室の奥の扉を開けアンクル本部のレセプション・エリアに堂々と進入するのです。
彼等４人はそこで受付嬢も眠らせて三角形のIDバッジを付け長い金属製の通路を歩くのですが、受付嬢の指に付いている薬品が反応しなかったため警報が鳴り、次々とエージェントが飛び出して内部は騒然とします。
一人だけ先に第二課のコンピューター・ルームに向かった男は自動ドアを爆破したのですが、その向こうに銃を構えた男がシルエットで浮き上がり、男が数発撃つと防弾ガラスにヒビが入り、防弾ガラスの向こうに銃を構えたソロが現れるのです。
あのお馴染みのシーンがいきなりノーカットで映し出され、私なんかは興奮！驚愕！Oh! My God・・ の世界です！（笑）
これを初めて観たアメリカ人も、さぞかしカルチャー・ショックを受けたでしょうね。
１９６４年９月２２日火曜日の出来事です。

ストーリーは「罠を張れ！」と全く同じですが、Ｌ・パルッツィは機中でわざと落とした口紅をソロから拾ってもらうシーンだけの登場です。
あの屋敷での彼女との絡みは一切出て来ません。
こちらの方は日本未公開「The Four Steps Affair」に入っているので、大いに期待して下さいね。

イリヤはオープニングとソロのマンション（？）に　ほんの少し出ただけでしたが、後に大ブレイクし一世を風靡するとは誰も考えていなかったでしょうね。
アンクル・スペシャルも出て来なかったし、通信機もアンテナのリード線付きの一番初期のタイプだし、シリーズを観続けているファンの方にも、このパイロット版は本当に貴重な一篇だと思います。
続けて、「シリーズの誕生秘話」もありますので、ここから合わせてご覧下さい。
（ソロの笑顔がいっぱいありますよ）