スラッシュ・悪役列伝



1st. Season


#1 ユーゴスラビアに潜行せよ（THE QUADRIPARTITE AFFAIR）
#2 アンデスにロケットをぶちこむ（THE GIUOCO PIANO AFFAIR）
ジャベン・ラベル（アン・フランシス） Gervaise Ravel (Anne Francis)
フランスのエーソン生まれ、３０歳。
自殺したフランス国務大臣ホワリー・ラベルの夫人。
謎の多い女性で、アンクルでは危険人物として記録されている。

虫も殺さない顔をしているが、部下をあごで使い卑劣な手段で人を危める冷え性の女。
あの口元のホクロが曲者で、ソロの好奇心をいやが上にも高め闘争心を駆り立てる。
逆にイリヤは「死体を殺せ」のアンジェリーク同様、徹底的に毛嫌いする。
吹き替え　　小原乃梨子 危険度　　★★★★


#3 手錠のままのアベック（THE DEADLY DECOY AFFAIR）
エゴン・ストライカ−（ラルフ・テイガ−） Egon Strykerr (Ralph Taege)
このエピで国際犯罪組織スラッシュが初登場した。
彼はスラッシュ最高幹部の一人で重要な情報を持っており、拉致したソロとイリヤがワシントンまで彼を護送することになるが・・。

と言っても、登場したのはほとんどがＷ課長の仕組んだ敵を欺く囮の方で、ソロとイリヤもまんまと引っかかってしまいました。
女好きで無骨なこの愛すべきキャラクターにソロとイリヤも影が薄かったですね？
吹き替え　　黒沢　良 危険度　　★★★


#4 Ｓ−９を奪回せよ（THE IOWA SCUBA AFFAIR）
クリント・スピナー（スリム・ピケンズ） Clint Spinner (Slim Pickens)
イギリス映画に良く出て来る炭鉱労働者や怒りの葡萄に出て来る農夫のような風貌をしているが、
実は空軍の新開発したＳ−９ロケットを横取りして政府転覆を企てている。

見るからに悪者の顔をしていて、小さい頃から盗みはやるし喧嘩も絶えず、世に言う憎まれっ子が
そのまま大人になったような感じ。
スパイのメイド、ラテン系のスピナーの女上司など一目で悪者と分かるのが楽しい。
それに比べ、ソロはなんていい者の顔してることでしょう・・。
吹き替え　　大宮悌二 危険度　　★★★★
　


#5 海底王国を粉砕せよ（THE NEPTUNE AFFAIR）
ヴィンス・ロックリッジ　（ヘンリー・ジョーンズ） Vincent Lockridge(Henry Jones)
ベルリンの壁が崩壊し冷戦が終結して久しいが、生物兵器を使い米ソ対決第三次世界大戦で両者共倒れを目論む凶悪な男。
その割りに印象は薄いが、「ウエイバリーを葬れ」にもゲスト出演している。

イリヤは冒頭少しだけ顔を出してるが、「酵母菌が収穫前にばら撒かれ小麦畑一面真っ赤になっちゃってさ・・」とやけにピリピリしているのは、
かつて鉄のカーテンの向こう側や西側地域で働いていたというキエフ出身のイリヤの設定を強調したのかもしれませんね。
吹き替え　　高塔正康 危険度　　★★★★


#6 僧衣の野望（THE LOVE AFFAIR）
ブラザー・ラブ（エディ･アルバーﾄ） Brother Love (Eddie Albert)
伝道師を隠れみのに科学者を誘拐し自らの楽園を築こうとする独裁者というよりきちがいですね。
あ、きちがいは差別用語で放送禁止用語にもなってました。失礼しました！

演ずるは海千山千のベテラン俳優で、「ローマの休日」でG・ペックの友人のカメラマンに扮し、いい味出してましたが昨年９９歳で亡くなり　残念です。

ところで、新聞記者がソロ、カメラマンがイリヤの「ローマの休日」も楽しそうですね。
イリヤの撮ったお転婆なアン王女の写真を封筒に入れそっと渡すソロ・・
なんて、どう？
吹き替え　　島宇志夫 危険度　　★★★


#7 死体を殺せ（THE DEADLY GAME AFFAIR）
アンジェリーク（ジャニン・グレイ） Angelique (Janine Gray)
美しいブロンド、鋭い瞳、頬を引きつらせながら喋る魔性のスラッシュガール。
その手（？）がお好みの男性にはたまらない魅力なんでしょうね。

「ねぇ　ナポレオン、あの人　気味が悪い」とはよく言うよ、全く！
それはイリヤの言う台詞　だっちゅうの・・。

でも、やっぱりソロはイカもの食いだ。（笑）
吹き替え　　北村昌子 危険度　　★★★★★


#8 拾った危険（THE NEVER NEVER AFFAIR）
ビクター・ジャベル（シーザー・ロメロ） Victor Gervais (Cesar Romero)
欲しいものをおねだりすれば何でも買ってくれそうな素敵なおじ様ですね。
Ｗ課長も嫉妬しそうなロマンスグレーのフェミニストなブルジョワ爺ですが、時折り見せる鋭い眼光は数々の修羅場を潜り抜け、
辛酸を舐めてきた知識と経験が垣間見て取れます。

そこの貴女、一日でいいからマンディの代わりをやってみたいなんて言ってると　変なとこに売られちゃいますよ。
（笑）
吹き替え　　大木民夫 危険度　　★★★


#9 コップの中の嵐（THE MAD MAD TEA PARTY AFFAIR）
ライリー（ピ−タ−・ハスケル） Riley (Peter Haskell)
アンクルで行われる首脳会議を潰す命を与えられた、本部の研究室で働くスラッシュの二重スパイ。
かなり危険な男ではあるが所詮刺客に過ぎない。
もっと恐るべきはライリーに指令を与えるイーグレイ博士の方でしょうか。
ところが彼女は変装していて、マスクを取った時の顔がアンクルに紛れ込んだケイと似ていて当時は悩んでしまいました。

所詮、ライリーもソロもイリヤもしたたかな課長に踊らされたコップの中の金魚に過ぎなかったのですね。
吹き替え　　羽佐間道夫 危険度　　★★★★


#1０ 老スパイは死なず（THE ODD MAN AFFAIR）
ミスター・ゼッド（ロナルド・ロング） Mr.Zed (Ronald Long)
ＮＹ本部に籍を置く元レジスタンス運動員のサリー（Ｍ・バルサム）に完全に食われた、態度はデカいが印象は薄い秘密暴力組織のボスです。
同じ悪役でも、後に演じたあのロベスピエールの方がインパクトありました。

当時のノートでは８点と辛口のこの作品、歳を経るごとに味わいが増して好きになります。
ソロとイリヤのトレンチコート姿もスパイの悲哀が滲み出ていいムードを醸し出していましたね？
吹き替え　　小林清志 危険度　　★★


#11 アザラシが死を運ぶ（THE FINNY FOOT AFFAIR）
リューシェン将軍 (レナード・ストロング) General Yokura（Leonard Strong）

Ｊ４２という戦時中に開発された動物の老化現象抑圧機能を破壊する特殊な薬品を狙う、
「燃えよドラゴン」のミスター・ハン似の生理的に好きになれない悪者。
第一、子供を人質に取るなんて最低の男のすること。

それに比べ、その少年と　ほど良い距離感を保ちながら心を寄せ合うソロのなんて男らしいこと。
そして、ラストシーンの未練たっぷりのソロも抱きしめたいほど愛しい。
同じ男の私が言うのも変だけど・・。（笑）
吹き替え　　寄山　弘 危険度　　★★★★


#12 ポーロック館の地下牢（THE GAZEBO IN THE MAZE AFFAIR）
エモリー・パートリッジ (ジョージ・サンダース) E・ Partridge(George Sanders)
今回の悪役パートリッジを演じたG・サンダースはシーズン２の３８話「史上最硬の金属」にも登場する、ソロとイリヤにとって宿敵とでも言いましょうか。
シリーズで同一役名で２度登場した唯一の俳優です。

「拾った危険」のジャベルがフランス貴族ならばこちらは生粋のイギリス貴族で、
ゲーム感覚でアンクルへの報復を楽しんでる感じで、悪役としてはむしろ彼の妻を演じたジャネット・ローランの方に★★★★★を献上したいと思います。
吹き替え　　外山高士 危険度　　★★★


#13 午前０時０３分（THE FIDDLESTICKS AFFAIR）
アントン・コーベル（ケン・マレイ） Anton Korbel (Ken Murray)
カリブ海、カジノ、地下金庫、蝶ネクタイ（笑）　と来たらもうこれしかないですね？
あの音楽に乗って、お洒落でワクワクする展開は何度観ても至福のひと時です。

マフィアのボスと見間違うようなこの男、スラッシュのハマリ具合も天晴れとしか言いようがありません。
が、実際の彼の本職はコメディアンだそうで、人は見かけによらぬもの・・。

こうして魅力溢れる悪役たちにも支えられ、アンクルショウはますます光り輝くのであります。
吹き替え　　高城淳一 危険度　　★★★★


#14 猛犬にご注意（THE BOW-WOW AFFAIR）
Ａ・デルグロヴィア（ポ−ル・ランバート） Andre Delgrovia (Paul Lambert)
ゴクゴクじゃなくてグビグビのあの飲み方がいいですネ！
だんだん興奮して来てストローじゃ物足りない感覚を秀逸に表現してる　とファンの方が言ってたのを思い出しました。

課長の従兄弟を殺し、ドーベルマンを使ってishisanの好きなアリスを恐怖におとしめる残忍さに、男の悪役では初の五つ星を進呈します。

「敵まで愛して」のマーラも池田昌子さんの吹き替えでしたが、イリヤに執拗に迫るアリスの吹き替えにもメロメロになってしまった、ishisanお薦めの一篇です。
吹き替え　　鈴木昭生 危険度　　★★★★★


#15 束の間の生涯の物語（THE GIRLS OF NAZARONE AFFAIR）
マダム・ストレイゴー（マリアン・モーゼス） Madame Streigau (Marian Moses)
自然治癒力を増大させるという薬品をナザローネで人体実験するためスラッシュライフルで撃ち殺す残忍な女。
最後はマスクを剥いで逃げましたが実際はもっとオババだったのかもしれませんね。

このエピは金髪女性が入り乱れて誰が誰だか良く分かりませんでしたが、あのシャロン・テートもテラピストとしてゲスト出演していました。
たぶん大きな画像の真ん中の子だと思いますが、もし違ってたら教えて下さいね。
吹き替え　　水城蘭子 危険度　　★★★★


#16 全員課長を救助せよ（THE BRAIN KILLER AFFAIR）
Ｄｒ・デブリー（エルザ・ランチェスター） Dr.Agnes Dabree (Elsa Lanchester)
脳外科の権威で、アンクルの最高権力者４人の名前と住所を聞き出すためウエイバリー課長の脳に処置を施そうとするデブリー、恐るべし・・。

可愛いセシルの兄を廃人にした憎らしさと、イリヤをフリーズさせた功績（？）と、陰で噂をしてソロに身震いさせた特技に対し堂々の五つ星を献上します。

エピの数ほどスラッシュ・悪役が登場しましたが、デブリーのあの不敵な笑みと特異な体型は「平和〜」のウイザースプーンと２大双璧を成すでしょう。（笑）
吹き替え　　寺島信子 危険度　　★★★★★


#17 没落への脱出（THE SECRET SCEPTRE AFFAIR）
アラン・モーガン（ジーン・レイモンド） Allan Morgan (Gene Raymond)
朝鮮戦争時代のソロの上司、モーガン大佐。
きれい事を言ってアンクルに援助を求めるが所詮権力に目がくらんだ、あまりパッとしない悪人。

ソロ「僕はあくまでも個人の資格で来たんです。イリヤは自分で付いて来たんです。
どうしてもやめろと言ったんですがね」
イリヤ「物好きなんですよ。ドンパチやってないと気が滅入っちゃって・・」の台詞が可笑しかったですね。
吹き替え　　加藤 忠 危険度　　★★


#18 香港の黒い霧（THE HONG KONG SHILLING AFFAIR）
クリープランド (ギャヴィン・マクラウド) Cleveland (Gavin MacLeod )

玩具取引きをしているクラブ龍の牙は隠れみので、実際は世界の国家機密をセリにかけて売買する悪の温床だったのです。
クリーブランドの悪徳ブローカーぶりも悦に入ったもので、豪華競演陣と相まって忘れ難い作品に仕上がっています。

ヘブンリーに恋するバーニーの吹き替えは納谷悟朗さんでしたが、どうみても大学生には見えませんでしたね。
それにしても、今回は若山弦蔵さん始め声優陣も層々たるメンバーでゴージャス！
吹き替え　　小林清志 危険度　　★★★★


#19 女のノドを裂け（THE KING OF KNAVES AFFAIR）
ファシック・パサド (ポール・スティーブンス) Fasik el Pasad (Paul Stevens )
革命により国を追われた元中東の王子で、私設軍隊を擁し王への返り咲きを企む。
彼の経営するクラブには胡散臭いやからがうじゃうじゃといてアンクルショウの懐の深さを感じます。

一番多いのがウナギで次がイワシとサンマの小骨だそうです。あと、ブリとかタイも複雑な形の骨してるので注意を要します。
普通は扁桃腺に引っかかるのが大部分ですが、最悪奥の方に刺さった時はノドを切開することもあるそうです。
いずれにしてもすぐ耳鼻咽喉科へ行って取ってもらうのが一番ですね。あ、喉に骨が刺さった時のお話しでした。
吹き替え　　家弓家正 危険度　　★★★


#20 ハトは何を告げる（THE DOVE AFFAIR）
サティン （リカルド・モンタルバン） Satine (Ricardo Montalban )
急死したバルカン某国サンズ大統領の腹心だが秘密警察に寝返ったり、ソロを川に落としたと思ったら救ってみたり、正体不明の謎の男サティン。
４０年以上経っても私には未だに良く分かりません。

霧雨けむる橋にたたずむコート姿のソロを見ると、「エクソシスト」のＭ・Ｖ・シドーが悪魔祓いに家の前に降り立つあのシーンをいつも連想してしまいます。
モノクロームがとりわけ非情なスパイ活動を際立たせた作品です。

後に、Ｒ・モンタルバンは「逆転の砲弾３発」で宝石泥棒を好演していました。
吹き替え　　金内吉男 危険度　　★★


#21 パリの夜ダイヤを追う（THE SEE PARIS AND DIE AFFAIR）
マックス・シレーテン (ロイド・ボークナー) Max Schreeten (Lloyd Bochner )
マックスと従兄弟のジョセフはダイヤ売買組織で働いているが在庫品を盗んで逃亡する。
そこでアンクルはマックスの元ガールフレンド　マリーの協力を得て仲間割れ作戦を敢行するが、そこにスラッシュも絡み三つ巴の展開となる。

悪役というよりプレイボーイが良く似合い、「スパイ大作戦」「マニックス」「警部マクロード」「チャーリーズ・エンジェル」など数多くゲスト出演している。
第４シーズンの「マシンガン・ソロ」では２重スパイを好演したが昨年他界する。
吹き替え　　宝達晃一 危険度　　★★


#21 ユカタンの鮫（THE GREEN OPAL AFFAIR）
ウォルター・ブラック（キャロル・オコーナー） Walter Brach(Carroll O'Connor)
車椅子というハンディを負っているが口が達者な、サングラスも憎憎しいブラック。

「アイ・スパイ」「ボナンザ」「アウターリミッツ」「新・夜の大捜査線」などに出演し、エミー賞を何度も獲得しているベテラン俳優。

AFIアメリカ映画悪役ベスト100を見たら、1位がアンソニー・ホプキンス、2位がアンソニー・パーキンス、以下なるほどと思う面々に頷いてしまいました。
それに比べるとスラッシュなんてまだまだ可愛いもんですね。（笑）
吹き替え　　滝口順平 危険度　　★★★


#23 失われた２時間（THE YELLOW SCARF AFFAIR）
トム・シンプソン （リンデン・チャイルズ） Tom Simpson (Linden Chiles)
ホントの敵はマハラジャや山賊のサッグ団かもしれませんが、トムプソンはスラッシュ・エージェントなのであえて取り上げました。
それにしても、スラッシュがアンクルと合流して捜査するエピも珍しい・・。

他にもＳ・マックィーンの元夫人ニール・アダムスはシータという悪女を好演しています。
航空会社の担当者チキリス演ずるヴィトー・スコティはドラマでよく見かけますが、悪者じゃないのに趣きのある悪者ヅラをしています。
顔だけで悪を表現できる役者も素晴らしいネ！
吹き替え　　木村 幌 危険度　　★


#24 裏には裏をかけ（THE TERBUF AFFAIR）
バイチェック (アルバート・ポールセン) Major Vicekasik (Albert Paulsen )
先日のチャットで制服の話しをしましたが、国家警察のこの制服も捨てがたいものがあります。
バイチェックよりソロのあとを尾けるのっぽのあの人はエラく似合ってましたね。

シリーズに何度もゲスト出演しているアラン・ケイルー。
今回はモリスコ大佐に扮してましたが、彼は脚本家としてもアンクルショウに多大な貢献をしています。
イギリスで実際のスパイ活動をしたり冒険小説家としても有名な大変バイタリティ溢れる人です。
吹き替え　　勝田 久 危険度　　★★★


#26 箱舟号の叛乱（THE SHARK AFFAIR）
キャプテン・シャーク（ロバート・カルプ） Captain Shark (Robert Culp)
ちょっと見はエレガントなプレイボーイですが、コロンボシリーズに３度も犯人役で登場したことでも分かるように、そこはことない悪の匂いがプンプンして来ます。

さぁ　第１シーズンの悪役２４人が全員登場と相成りましたが、上から下までず〜っと見てみると根っからの悪人はいないような気がしませんか？
逆にそこがナポソロの魅力なのかもしれませんね。
もしアンソニー・ホプキンスやマーロン・ブランドなんかが出てきたら重〜くなるからね。
そんな中でもベストヒールを選ぶとしたら誰にしましょうか？
甲乙つけがたいものがありますが、私は　え〜と、「猛犬」のデルグロヴィアかな・・。
吹き替え　　久松保夫 危険度　　★★★